電子リーダーと書籍

電子書籍リーダーと漫画~日本と世界標準の出版事情は、ちと違う

電子書籍リーダーの出現は奈良時代から連綿と続いた出版のあり方に大きな一石を投じました。
既存の出版業界と読者の関係に大きく変更を迫ったのです。近未来の「書斎」に書架はなくなるでしょう。
背表紙だけが「インテリア」として残るかどうか。私の書斎にはすでに書架はありません。撤去しました。
数冊の雑誌、グラビア集が手元にあるだけです。このお蔭で、ペットのコモは私と部屋をシェアでき、快適を得ました。
現在でも、電子媒体が前提の著作物はハードペーパーによるものよりずっと少ないです。書籍を求めるなら書店の方がコンテンツは豊富です。
近い将来の逆転も考えにくいです。電子インクの限界がここにあります。表示はどれも16階モノクロ色調で、グラビア雑誌には向きません。
大きさについては、画面のスクロールが必要ですが、文字コンテンツに特化したプロセッサーには画像表示はしんどい作業です。
また、挿絵一つ入るだけで一冊のデータ量は桁違いに大きくなります。
つまり「漫画」は、保存できるコンテンツ数が大きく制限され、電子書籍リーダーの強みが薄れます。また、動作を著しく鈍くさせます。
つまり、電子書籍リーダーに大変革がない限り、電子書籍リーダーの出現を手放しで歓迎できる状況ではないのです。

電子リーダーと書籍
当時、出版業界を驚かせはしましたが、「脅威」の存在には至っておりません。
各電子書籍リーダーの母体は違った業界でした。ハードウエアベンダー、出版社と一部の著作者団体の支援によるネット商社によるものでした。
結局、現在の日本市場に生き残った言えるのは「Kobo」と「キンドル」で実態はアメリカのAmazonと日本の楽天の2者の戦士だけでした。
戦況は明らかに楽天側が有利です。すでに述べました「汎用性」と「拡張性」は失われつつありますが、
扱えるフォーマットがオープンソースによるものであることが楽天を優位にしています。ビデオテープの「VHSとベータマックス」に似たな感があります。
幸い、koboが採用するこのフォーマットはオープンソースですから、キンドルの道を途絶えさせる原因とはならないでしょう。
もっとも痛手は、現存の膨大なコンテンツのフォーマット再変更と、販路の共有が必須です。
これはコンテンツ数が大きな悩みのKoboには一方的に有利な展開となるでしょうが、キンドル・マシンが日本で生き残るには致し方ありません。
アメリカの日本出版業界における「漫画」の価値観に変更を強いることになると考えます。
日本の紙の8割(筆者の感想)ほどが漫画であることを知らねばなりません。